1.マスクの内側の蒸れ
マスクの内側は、かなり高温多湿な環境になります。
蒸れて湿度が高くなると汗や皮脂が多く分泌されることでニキビの原因菌となるアクネ菌等の雑菌が、マスクの内側で繁殖しやすい状態になります。
アクネ菌は嫌気性菌で空気に触れることを苦手としているので、空気に触れやすい環境では増殖はありません。
しかし、マスクによって空気に触れにくく大好物の皮脂が多量に分泌される環境はまさに最適で、このことが「マスクにきび」の大きな要因となっています。
2.マスクの生地との摩擦
医療現場ではほぼ100% マスクは不織布製を使用していると思います。
不織布は一般的に熱などで繊維を絡めてウェブ状にします。一見するときれいな表面ですが、拡大すると細かい毛羽立ちが出ています。こうした繊維と肌が接触し擦れることが肌荒れの原因となります。
3.急激な乾燥
マスクの着用時は呼気により湿度が高く、肌が潤っている状態に感じる方も多いと思います。
しかし、外した際にマスク内の水分は一気に失われ肌は乾燥状態になります。
水分が失われた肌はバリア性が低下して細菌、ウィルス、アレルゲン等が侵入しやすい状態となり、肌荒れにつながる場合もあります。
4.マスクによる肌荒れ対策
① こまめに交換する。
交換頻度を多くすることで、喚起にもなり肌を休ませることもできます。また、マスクの不織布の毛羽立ちもおさえられます。
② 適切なサイズを選択する。
大きすぎてフィットしないものだと動いてしまい摩擦が大きくなります。また小さすぎるのも擦れてよくありません。
フィットする適切なサイズを選ぶことが重要です。
③ 汗をよく拭く。
マスクをしていると汗をかきます。汗をそのままにしておくとにきびや湿疹ができやすい状態になります。
汗は出来るだけこすらずに優しく頻回に拭き取りましょう。
④ スキンケアをする。
しっかり保湿をして乾燥を防ぐと同時に油分のケアも重要です。
油分があることでマスクとの摩擦の軽減にもつながります。
まとめ
医療従事者の方々には切り離せないマスク。また、 5類になったとはいえ新型コロナウィルスも、今年も流行 拡大の兆しをみせ 、心身ともに張り詰めた状態が続いていると想像しますと最前線で働く医療従事者の皆さまには本当 に感謝の念に堪えません。
医療は皆さまの健康あってのことと存じますのでくれぐれも自愛頂ければと思います。
マスクによる肌荒れにつきましては病院の物はご自身で選ぶのは難しいかもしれませんが、出来る限り、ご自身に合ったサイズと素材のものを選択して頂き、摩擦や刺激を避け頻繁なスキンケアをして頂ければと思います。
ライタープロフィール
【石鞍信哉】
A.R.メディコム・インク・アジア・リミテッド(メディコムジャパン学術部所属。
「Pride in Protection」をかかげる感染管理のグローバルカンパニーの社員として、日々製品の適正使用や正しい感染管理の啓発のためにミナー活動を行っている。
趣味は昔はバイクや釣りなど。今は・・・ほぼ無趣味です。