ナースは、患者、患者の家族、医師などの他職種と連携しています。今回は、スムーズな業務を行うために普段のコミュニケーションから生かせるおすすめのコーチング技術、考え方をご紹介します。
1.「YOU(あなた)」より「I(私)」を主体にした言葉で関わる
基本的に、コミュニケーションを行うときには「YOU」より「I」を主語にした言葉で関わると、お互いに気持ちの良い関わりができます。
例えば、仕事で他のスタッフにお礼を言うとき「ありがとうございました」だけでなく「ありがとうございました。私(I)は、あなた(YOU)のおかげでとても助かりました」と一言追加すると、印象はガラリと変わります。
また、個人の価値観の違いから意見を伝えるとき「あなたの考えが違う」といきなり否定してしまうと、相手側の気分を害してしまうことも。
その場合「私はこう考えていますが、どうでしょうか?」と他人目線ではなく、あくまで自分の意見で伝えることでスムーズに通じやすくなります。
ちょっとした一言ですが、この主語を変えるだけでもより良いコミュニケーションが図れます。
2.不安感が強い患者さんが、安心して入院生活を過ごす為のコミュニケーション法
人それぞれの価値観が違うことは当たり前。しかし、それを理解し受容することで、患者さんとの信頼関係が築けることを知っていますか?患者さんは病院に入院している場合、緊張し疲労していることがあります。そのため、メンタル面で受容し、安心できる場所にする必要があります。
まずは普段のコミュニケーションのなかで患者さんの表情や好きなもの、嫌いなものなどを聞き「相手の価値観」を確認します。それから受容する姿勢を持ち、伝えることで患者さんは「受け入れられている」と実感することができます。
入院生活でも患者さんが精神的に安定すると、説明や処置を落ち着いて受けてくれるようになります。ぜひ、日ごろのコミュニケーションに応用し「安心できる環境」を作っていきましょう。
3.申し送り、報告のときには「意図」と「前提」を考えて伝える
このなかでいう意図とは「目的を達成するために、こうしようと考えること」をいいます。
前提とは「目的や意図を達成するために押さえるべき条件や事柄のこと」をいいます。これらを考えて整理したうえで報告ができると、相手にも内容がスムーズに伝わりやすくきちんとした報告ができます。
例えば患者の状態が悪く、早急に対応してほしい場合「〇〇先生、Aさんが胸痛を訴えています。既往に心筋梗塞があります。心電図上にST上昇が見られるので、すぐに来てください。」この内容だととても緊急性が伝わりますよね。
意図と前提を使って伝えると、「思ったことが相手に伝わらない」というケースが確実に減ります。
4.まとめ
私自身、コミュニケーションは苦手でしたが、このコミュニケーション術を知ってからは、スムーズに楽しく出来るようになりました。この方法は全ての方に使えるので、仕事以外でもぜひ活用してみてくださいね。
~ライタープロフィール~
【優 かおる 】ナースLab認定ライター
福岡県出身のママナース。企業提携コーチ、ライター、予防医療事業なども行う。 仕事で悩んでいた時にコーチングに出会い、人生観が変わる。 自分らしい生きかた・働きかたの支援として副業サポートも行っている。 自身の活動をブログやメルマガにて発信中。
ブログ:https://yu-kaoru.com/free/