・このような知識どう覚えますか?
みなさん例えば以下のような知識を覚えなければいけないとしましょう。
・大動脈弁狭窄症
・心房細動
・拡張型心筋症
・心室頻拍
・右心不全
・三尖弁閉鎖不全
恐らく多くの人はこれを一つ一つ、全く異なるものとして覚えていくと思います。しかし、一つ一つ別のものとして覚えていくのはとても大変なことです。このような知識も3つの働きにわけて理解できると格段に理解しやすくなります。

・心臓の3つの機能とは?
ここでは心臓を心筋、心臓の弁、刺激伝導系の3つに分けて考えていきたいと思います。しかし、このように3つに分けて考えると言われても、全くイメージ湧かないですよね。なので、思い切ってそれぞれをキャラクターにしてみました!まずは、それぞれのキャラクターの紹介です。
・心臓の機能1:心筋はマッチョなアスリート!
心筋=マッチョなアスリートです。恐らく、一番理解しやすいキャラクターだと思います。心筋は収縮する能力があるのですが、血液を流す方向性を決めているわけではありません。また、心筋はそれぞれが連携して収縮するという能力もありません。なので、心筋が行っていることは非常に単純で、ただ、刺激が来たタイミングで収縮するということだけを行っています。

・心臓の機能2:心臓の弁はアスリートのコーチ
心臓弁=マッチョなアスリートのコーチです。先ほど、心筋はただ収縮することしかできないと説明しました。しかし、実際には心臓は全身に血流を送るという目的を持って、大動脈の方向にだけ血液を送っています。これを可能にしているのがマッチョなアスリートのコーチである心臓弁です。この、心臓の弁が収縮する心筋から生み出された血流を上手に流したい方向に流すことで、心臓は全身に血流を送るという目的が達成できています。

・心臓の機能3:刺激伝導系
刺激伝導系=監督です。この監督には常に完璧な仕事が求められます。どのようなスポーツでも監督が大きな采配ミスをすれば試合に勝てなくなってしまいますよね?スポーツにおいての監督が重大なミスをすると心臓は機能できなくなってしまいます。

・知識を3つの機能で分類してみると覚えやすい!
それでは先ほどの例題の知識を3つの働きで整理してみました。このように3つの機能で分類をしてみると、例題の知識は心筋の問題、心臓の弁の問題、刺激電動系の問題に分けられることが見えてくると思います。このように分類を行う1番の利点は、どの機能に問題があるかを絞り込むことによって、薬剤を用いた治療法なども似た治療法になってくるため、疾患の理解のみでなく治療法なども覚えやすくなってきます。

まとめ
循環器分野の勉強はとても難しいというイメージはおそらく、どのように分類していったら良いかわからないからだと思っています。
とにかく頑張って一つ一つ覚えるということも大事なときもありますが、どのように自分で分類して理解していくかということもとても大事な勉強方法です。知識のつながりを発見すると、飛躍的に学習効果が上がるので、自分の中でどのように整理していくかを常に意識して学習をしてみることをお勧めします。そして、知識をどう分類するかは、その領域で長く働いていた先輩や、書籍やセミナーなどで学ぶこともできるので色々な方法で学ぶことも心がけてみましょう!
ライタープロフィール
【松石雄二朗】
看護師、保健師、公認心理士、博士(医学)聖路加国際大学ニューロサイエンス看護学助教2012年聖路加看護大学(現聖路加国際大学)卒業後、聖路加国際病院心疾患集中治療センターに勤務.その後筑波大学附属病院集中治療室及び小児集中治療室に勤務.在職中に筑波大学大学院人間総合科学研究科疾患制御医学制御専攻修了(医学博士課程)後、現職.バングラデシュHealth & Disease Research Center for Rural People (HDRCRP)客員研究員
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