時の記念日って何の日?
とても歴史の長い記念日なので、年齢が高いほど知っている人が多いのですが、知らない世代も増えてきているかもしれません。
年間で唯一、祝日のない6月。
時の記念日はその6月初の祝日もねらっているとか…。
聞いたことがある!という若い人も、
もういい歳だけど知らなかった…という人も
6月10日は時の記念日の話題に触れてみませんか?
また、気軽に行けそうな
時の記念日にまつわるイベントもご紹介します!
目次
- 1.時の記念日の由来 -昔の日本人は時間にルーズだった-
- 2.時の記念日のイベント
- (2-1)漏刻祭(滋賀県大津市)
- (2-2)時のウィーク(兵庫県明石市)
- 3.まとめ
1.時の記念日の由来 -昔の日本人は時間にルーズだった-
時の記念日ができたのは今から百年前、1920(大正9)年。
国立天文台と、生活改善同盟会によって制定されました。
生活改善同盟会とは…
文部省(現:文部科学省)の関連組織で、日本の生活様式を西洋化していく運動を先導した団体です。
今では日本の鉄道はあまりにも時間に正確なので、海外から驚かれるほどですが、
大正時代はまだまだ日本人も時間にルーズだったようです。
そのような日本人の生活意識を変えるため、
西洋のように時間をきちんと守り、合理的な生活をめざそう!と呼びかけるのが時の記念日制定の目的でした。
では、なぜ6月10日が選ばれたのか。
その由来は、なんと!天智天皇の時代にさかのぼります。
『日本書紀』の記載によると
天智天皇は、正確な時をみんなが知ることが社会の発展につながると考え、
西暦671年、近江大津宮に「漏刻(ろうこく)」という水時計を作り、
鐘や太鼓を打って時を知らせることを始めたとあります。
この日が現代の暦に直すと6月10日になるのです。
時の記念日=日本初・時報の日 というわけなのですね。
2.時の記念日のイベント
時の記念日にまつわるイベントを2つ紹介します。
どちらも関西ですが、お近くの方は足を運んでみませんか?
2-1.漏刻祭(滋賀県大津市)
日本初の時報制度を確立したとされる、天智天皇を祀る近江神宮で
毎年6月10日に開催される祭典です。
境内には復元された漏刻(ろうこく)をはじめ、日時計など古来の時計も設置されています。
祭り当日は時計館宝物館が無料公開されます。
日時 | 毎年6月10日11:00~12:20 |
---|---|
場所 | 近江神宮(滋賀県大津市神宮町1-1) 京阪電鉄「近江神宮前駅」より徒歩約9分 |
主な行事 | 時計館宝物館の無料公開、古代火時計の点火実演、 時計メーカーによる新製品の奉納行事、舞楽など |
2-2.時のウィーク(兵庫県明石市)
東経135度日本標準時子午線が通る明石市で
時の記念日を含む1週間に開催されるイベント週間。
メインデー(日曜日)には明石公園や市民広場で
フリーマーケットや鉄砲隊演武などが開催されます。
また、明石市は時の記念日を祝日にしようという運動も推進しています。
日時 | 2019年6月16日10:00~16:00 |
---|---|
場所 | 兵庫県立明石公園(兵庫県明石市明石公園1-27) JR・山陽 各「明石駅」より徒歩約5分 |
主な行事 | フリーマーケット、鉄砲隊演武、武者行列、 子午線通過記念証配布など |
3.まとめ
昔の人々は、正確な時間を知り、それを共有する方法を考え、
そして時間をきちんと守ることで合理的な生活を目指してきたのですね。
今では、携帯電話や電波時計が普及して、いつでも正確な時間がわかるようになったので、時報のありがたみを感じづらくなっているかもしれません。
そしてさらに便利になって、いつでも連絡が取りあえるので
「ちょっと遅れそう」になると待ち合わせの時間なども安易にずらすことができてしまいます。
そんな便利な世の中で暮らす私たちですが、
6月10日は昔の人々の努力に感謝し、時間を守り、少し余裕をもって行動することを意識する日にしてみてはいかがでしょうか。
~ライタープロフィール~
【ツバサ】アンファミエスタッフ
職業柄、病院ではお仕事中のナースを見つめる視線が熱い。ナースから「同業者」と警戒されることもある。得意なことはお絵かき、苦手なことは料理。