新人看護師だけではなく、経験ある看護師でも起こす可能性があるインシデント。インシデントを起こすと落ち込むだけでなく、レポートを書くのに頭を悩ませたり、「なぜ自分が書くのだろう?」と疑問に思ったりとさまざまな感情が湧いてくるかもしれません。今回は、インシデントにまつわる「あるある」を7つご紹介します。
目次
・慣れてきたときが一番危険
誰でも慣れてきた時に一番気が緩みやすいのではないでしょうか。
とくに新人時代は、3ヶ月、6ヶ月と時が経つにつれ少しずつできることも増えますが、そのような時に事故は起こりやすいですね。
過信せず、初心に返って一つずつ丁寧にこなしていきましょう。
・落ち込んで余計にミスが増える
インシデントを起こすと誰でも落ち込みますが、落ち込んでいるだけでは前には進めません。「失敗は成功のもと」とも言います。落ち込むこともありますが前を向いて進んでいきましょう。
起こしてしまったインシデントを今後の教訓にできると良いですね。引きずらずに「この先同じ失敗をしない」と前向きに切り替えることも大切です。
・インシデントレポートは新人看護師が書くもの!?
新人の頃は不慣れなことも多く、失敗も少なくないかもしれません。入職した頃は、1人でテキパキこなせず、常に先輩スタッフの付き添いの下、看護を実施することもあるでしょう。部署全体がどうしても新人看護師に目が向きがちになり、ちょっとしたことでも「それインシデントよ。レポート書いてね」と言われてしまうかもしれません。「なぜ自分だけ?」と思うこともあるかもしれませんが、大きな事故につながっては手遅れです。ミスを指摘されることは辛く、レポートを書くことも手間かもしれません。しかし、ヒヤリハットの段階で止められただけで良しと考え、再発しないようしっかり振り返りできると良いですね。
・発見した人がレポートを書かされる!?
発見した人がインシデントレポートを書かされることってありませんか?
例えば、薬箱にセットされた薬が間違っていたのにそれを見つけた人がレポートを書かなければならなかったり、ベッドからずり落ちた患者さんを発見した人がレポートを書かされたりすることもあります。
前の勤務者がうっかり冒したミスを発見したというだけで、レポートを書くこともあるかもしれません。自分が原因じゃないのになぜ? と思うかもしれませんが、明日は我が身! です。いつ、誰にでも事故は起こりうることなので、次は自分が起こさないように気を引き締める機会と考えましょう。
・職場はインシデント報告をしやすい環境か?
皆さんが働いている職場はインシデント報告をしやすい環境ですか?
何か起きた時、やっぱり報告しやすい環境であってほしいものです。
誰がミスを起こしたのかを明らかにすることに躍起になったり、部署によってはレポートを書くことが最重要事項であるかのように取り扱われていたりするところもある気がします。
事故検討は同じミスを繰り返さないための場です。
インシデントレポートはミスを起こした人を責めるものではありません。「今後の業務改善に役立てられるもの」という認識が浸透すると気持ちよく働けそうですね。
・同期とインシデントの数を比べてしまう
同じ時期に入職した同期と自分のインシデントの数を比べてしまうことはありませんか?
インシデントの数が増えると「自分は失敗ばかりで、看護師に向いていないのかも」「もう辞めてしまおうかな」と思うかもしれません。
失敗しないように気をつけることはとても大切ですが、失敗だけにとらわれず、1日1日丁寧に仕事をこなし、ミスなく過ごせるように意識できると良いですね。
・インシデントレポートの書き方で悩む
インシデントレポートはどの病院でもおおよその形式は決まっていると思います。
ミスが起きた時間や場所、対象者など書き込む項目がありますが、一番悩むのは、概要ではないでしょうか。この項目は、事実だけを書かなければなりませんが、うまくまとめられないと悩むこともあるでしょう。そんなときは、「いつ、だれに、何が、どのように起こったのか」を意識してまとめると良いと思います。
まとめ
インシデントはどうしてもマイナスイメージが強く、ミスを起こすと落ち込んでしまう人が多いのは事実です。レポートの記入に悩んだり、周りの目を気にして余計に辛くなったりすることもあるでしょう。同じミスを繰り返さないためにもしっかり振り返ることが必要です。「絶対に二度と同じことを繰り返さないぞ!」という気持ちで前向きにとらえるようにできると良いですね。
ライタープロフィール
【東 恵理】ナースLab認定ライター
看護師、保健師、介護支援専門員。 国公立大学看護学科卒業後、総合病院にて手術室、外科病棟を経験。その後、小規模多機能型居宅介護施設へ。在職中に介護支援専門員資格取得したことをきっかけに、在宅分野に興味を持ち訪問看護へ転職。一つの働き方に縛られず、フレキシブルな働き方を目指し、ライター業に挑戦。 現在、訪問看護で非常勤として働きながら看護学校非常勤講師や介護士向け研修の講師も務めている。一児の母。
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