後輩指導やリーダー業務など、病棟内で責任のある役割を担うようになり、勤務表の名前も上から数えた方が早くなってきた中堅看護師のあなた。ここまで一生懸命働いてきたけれど、やっぱり仕事がしんどいと暗い気持ちで過ごしていませんか? 今後のキャリアについて、どう進めたらいいのかわからず、口を開けば仕事の愚痴ばかり言ってしまう。そんな日々から抜け出し、前向きになれる方法を、転職・休職の両方を経験した筆者が、体験談を交えてお伝えします。
1.心を整えて自分のベストを見つける
仕事で上手くいかないことが続くと、心も体も疲弊し、「辞めたい」と思ってしまうのは当然です。しかし、その状態で今後の進路を決めてしまうと、せっかく積み上げてきたキャリアを無駄にしてしまう可能性があります。
そんなことになる前に、まずは働き方に関する自分の考えを整理しましょう。
整理の方法は簡単です。
現在の職場の長所と短所、退職または転職した場合の長所と短所を、紙に書き出すだけです。
私が実践したときは、現在のことは短所ばかり、未来のことは長所ばかり思いつきました。でもよく考えてみると、仕事も人間関係にも慣れた現在の環境は、とても恵まれたものだと気がつきました。また、新しいことはチャレンジや刺激が多く魅力的な反面、一から勉強しなければならないこともあり、我慢と根気が必要になりそうでした。
こうして一つずつ書き出してみると、今の立ち位置と向かうべき方向が明確になり、気持ちもすっきりとしてきます。まずは心を整え、自分はどうすべきか見つめ直してみてください。
2.「看護師」という資格を大切にする
看護の仕事で今の環境を変える方法はたくさんあります。例えば、同じ病院内なら部署異動で診療科や勤務形態を変えることができます。他にも他病院への転職、施設や訪問看護師という在宅看護への変更。そして、臨床から離れて保育園看護師や看護師ライターといった様々な働き方ができます。
これだけたくさんの働き方ができるのに、病院以外で働くことをイメージできない方は多いと思います。私もその一人でした。しかし、転職サイトの紹介をきっかけに訪問看護師として働き始めると、みるみるうちに在宅看護の魅力にはまっていきました。この出会いがなかったら、看護師をもっと早く辞めていたかもしれません。
いつでもどこでも活躍できる看護の資格を活かさない手はないです。看護師を辞める決断をする前に、働きやすい場所で看護を続けることも考えてみてはいかがでしょうか。
3.限界が近いなら、一時休戦する
職場環境を変えてみたり、時間をかけて考えたりしたけれども、心が晴れず体も疲れている。そのような状態なら、一度看護師をお休みすることをお勧めします。
休めと言われても、生活を維持していくことや、看護師としてのキャリアを止めてしまうことに不安を感じる方もいらっしゃるかと思います。しかし、心も体も悲鳴を上げている状態で働き続けても、いい生活を送ることやキャリアアップはできないです。辞めることを悲観する必要はありません。辞めたからこそ得られることはたくさんあります。
私自身お休みするまでは、持病の治療と仕事を両立することが難しく、とてもしんどかったです。しかし、一旦仕事から離れてみると看護の仕事はやりがいがあって立派な仕事だと改めて実感し、また復帰したいという思いが湧いてきました。キャリアプランの選択肢の一つに、休職があってもいいのではないでしょうか。
まとめ
看護師は、患者さんやその家族の人生に関わる仕事で、やりがいや楽しさだけでは乗り越えられないことがたくさんあります。その仕事を中堅看護師と呼ばれるまで続けることができたなら、どんな進路を選んでも乗り越えていける力があなたにはあります。一度ゆっくりと時間をとって自分と向き合ってみてください。これから明るい看護師人生を歩んでいけることを願っています。
ライタープロフィール
【西村明香(にしむら・あすか)】ナースLab認定ライター
看護師・保健師。大学を卒業後、総合病院で勤務し、呼吸器内科・婦人科・小児科・訪問看護を経験。現在は、自身の治療のため休職中。今後は自分を大切にしながら仕事と治療の両立を目指している。モットーは「私と関わる全ての人、そして私自身も笑って過ごせるような看護をすること」
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