ナースあるある ~看護研究編~

ナースライター 凛(Rin)
ナースライター 凛(Rin)
ナースあるある ~看護研究編~

看護の質の向上につながる看護研究。日々の看護と深く向き合うことは、よりよい看護を提供していくためにも大切なことです。しかし、忙しい業務と並行しながらの研究に、試行錯誤しながら、時には壁にぶつかることもあるかもしれません。今回はそんな看護研究に関する“あるある”をご紹介していきます。


1.最初の難関!研究テーマ決め

「研究」とは、テーマについて「問う」行為であり、この行為に何らかの答えを導き出すもの。テーマとしては、例えば、患者さんのリハビリやストレス、QOLについてだったり、看護師側の心理やジレンマに着目したものだったり、多岐にわたります。テーマについて掘り下げて考えていくと、解明することが難しそうだったり、時間や対象者の確保が難しそうだったり、考えれば考えるほど頭を抱えてしまうことも。数名で研究を担当する場合、研究メンバーそれぞれが納得でき、追求したいと思えるテーマに辿り着くまで、時間がかかってしまうこともあります。


2.文献探しに奔走する

文献探しに奔走する

大体のテーマが決まれば、同じようなテーマの先行研究がないか、研究に生かせそうな先行研究やデータがないか調べていきます。インターネット上で検索し、本文が閲覧・ダウンロードできる研究論文もありますが、読みたくても閲覧できない場合もあります。そういう時は、検索で調べた情報から大学の図書館などを訪れて、文献を探し回ることも。お目当ての論文と出会えたときは、それだけで達成感を感じます。


3.学生時代の記憶はどこへ?慌てて復習開始

大まかなテーマを決めたら、研究方法について考えていきます。質的研究・量的研究なのか、分析方法はどうするのかなど、研究に慣れていないと、学生時代に習った知識を復習しないと分からない点も多々でてきます。私は参考とする先行研究を読む段階でお手上げ状態。「p値」「t検定」などの用語でつまずき、テキストを買って復習しました。


4.メンバーとのスケジュール合わせに苦戦

何人かで研究を担当している場合、集まって話し合うことが難しいときも。データ収集などは個人でできても、テーマ決めや研究方法の確認、論文作成など、話し合いが必要になることもたくさんあります。可能な場合は、シフトを合わせてくれることもあるかもしれません。シフトが合う日を逃さずに時間をつくるようにしています。


5.頭が働かないとき、甘いものやカフェインで復活

頭が働かないとき、甘いものやカフェインで復活

夜勤中や夜勤明けなどで、慣れない論文の文章を考えていると、頭が働かずに全然文章がまとまらないなんてことも。研究メンバーで甘いものを持ち寄ったり、コーヒーを飲んだり、糖分とカフェインには頼っていました。


6.いつの間にか締め切りが迫っている

いつの間にか締め切りが迫っている

研究計画書、論文やスライドは提出期日が決められています。また、その期日前までに師長さんや先輩看護師にチェックしてもらう時間も確保する必要があります。院内だけでなく、学会などでも発表するとなると、そのための論文やポスター作成の締め切りも気にしなければいけません。せっかくやるからには、より良いものにしたいですよね。計画的に進めていても、研究する側も指導する側も熱が入り、何度も追加や修正を重ねていたら、気付けば締め切り間近なんてことが度々あります。


7.連帯感が高まる

指導者、研究に取り組むメンバー、同じ目的に向かって力を合わせていると自然と仲間意識が生まれます。困難な状況のときでも連帯感が感じられると、もうひと踏ん張り頑張ろうとやる気が湧いてきます。


8.発表よりも緊張する質疑応答

研究発表の場では、発表後に質疑応答の時間が設けられていることが多いです。発表の練習はできても、質疑応答の準備や練習にまで手が回らないことは多くあります。完璧な答えを求められている訳ではないため、自分なりの見解を述べることができればよいのですが、全く想定していない角度から質問されることもあり、何よりも緊張してしまう時間だったりします。


9.大きな達成感を感じることができる

「研究をやり遂げ結論が得られた」、「院内の看護研究発表会でみんな熱心に聞いてくれた」、「学会でたくさんの人がポスターに足をとめてくれた」、「研究で看護師の意識や行動が変わった」など、人によって達成感を感じる瞬間は様々だと思いますが、そういった達成感を得る機会が看護研究にはたくさんあります。忙しい業務の中で取り組んだ研究だからこそ、感じる達成感も大きいのかもしれません。


まとめ

今回のあるある、職場環境などによっては違う点もあるかもしれません。しかし、どの病院においても、看護研究の積み重ねは、看護をよりよいものにしてくれるはずです。
看護研究をせっかくやるからには、取り組んでいることに誇りをもって、楽しみながらできるといいですよね。


~ライタープロフィール~

【凛(Rin)】ナースLab認定ライター
看護師10年目。現在は、肢体不自由などの障害を抱える小児の看護や、健康相談業務に携わっている。がん看護、緩和ケア、施設看護、訪問看護などの経験あり。
保有資格は、看護師免許、保健師免許、養護教諭第Ⅰ種免許。
医療ライター歴2年目。情報が溢れている今だからこそ、看護師だからできるライティングを通して、1人でも多くの人に笑顔と安心を届けたいと思い、医療や看護・教育などの分野で執筆活動中。

Twitter:http://twitter.com/writer_ns_rin


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