コミュニケーション力UP!
患者さんとの関係が良くなる3つのコツ

ナースライター 野中翔太
ナースライター 野中翔太
コミュニケーション力UP!患者さんとの関係が良くなる3つのコツ

「患者さんと本当に信頼関係が作れているかな?」という不安を感じたことはありませんか?患者さんとの信頼関係は大切であることはわかっているものの、はじめのコミュニケーションに躓いてしまうことも。しかし、患者さんに安心して入院生活を送っていただくために、コミュニケーションでより良い信頼関係を築くことは看護師として必要なスキルです。そこで今回は、患者さんとの関わりについて心理学を取り入れながらご紹介します。


1.「信用」「信頼」の違いとは?

はじめに「信頼」とはどんな意味があるのでしょうか?よく信用と混同してしまうことがありますが、信頼と信用は違います。「信用」とは、その人の業績や功績などの成果に対する評価となります。例をあげると「10年目の看護師は信用出来る」といった経時的なものです。一方で「信頼」とは、人柄や考え方、立ち振る舞い、行動などといわれています。「あの子は挨拶がしっかり出来て信頼出来る」。
比較してみると10年目の看護師の場合、技術的な部分は出来るかもしれませんが、態度が悪ければ信頼にはつながりにくいといえます。つまり、信頼は経験や功績のようなものではなく、コミュニケーションや態度、普段からの関わりによって築かれていくものだということです。


2.信頼関係を築く3つのコツ

信頼関係を築く3つのコツ

① 話を聴いてもらえた満足感と安心感「バックトラック」

バックトラックとは、相手の言葉や話のキーワードをそのままオウム返しに相手に伝える事です。通常、人は自分の言葉を繰り返しながら話を聞いてもらう事で「良く聞いてもらった」という満足感や安心感を得ます。その心理を利用して信頼関係を築いていきます。ワンポイントアドバイスとしては、繰り返す言葉は本人が何度も繰り返している、または強調している部分を取り上げて行うと、より満足感を与える事が出来ると言われています。


② 相手のペースに合わせる「ペーシング」

ペーシングとは相手の動作、声の調子、相手のテンションに合わせて信頼関係を築く方法です。人は相手と一つでも共通点が多ければ、無意識の内に安心感を覚え、相手に親しみを感じます。ペーシングで行うことはおもに、身振り手振りなどの動作、呼吸の速度、深さ、声の大小やトーン、話す時の長さ、感情の起伏などなど多岐に渡ります。まずは声の大小や話すペースなどから始めてみてはいかがでしょうか?


③ 同じ動きで安心感を与える「ミラーリング」

人は自分と同じ動作を相手にされると、安心感を覚えて自然と親しみやすくなるという心理があります。この方法をミラーリングといいます。ミラーリングの例をあげてみると、腕組み、足組みなど相手と合わせた動作で鏡のようにマネをします。しかしやり過ぎてしまうと相手に不快感を与えてしまう可能性があるので注意が必要です。できれば相手の動きの少し後にさりげなく行うことをおすすめします。


3.コミュニケーションエラーを予防する

人は言葉を発する時に何らかの体験を思い浮かべたりして、相手に伝えます。しかし、体験や価値観は人それぞれ違いがあります。その違いがコミュニケーションエラーに繋がることがあるのです。


具体的にどのようなエラーが起こるかというと、言葉の「省略」、過去の体験による価値観の「フィルター」、体験から事実とは違った捉え方をしてしまう「歪曲」、また、数あるできごとの一つが起こっただけなのに、まるでそのことを当たり前だと捉える「一般化」が挙げられます。


しかし、これらはある事を意識する事で予防出来ます。それは頭の中のイメージを出来るだけ具体的に言葉に表すために「いつ」「どこで」「だれが」「どのように」ということを会話の中に入れることで、しっかり伝わりやすくなります。そうすることでコミュニケーションエラーを防ぐことが可能です。


まとめ

まずは相手の言葉やしぐさを観察してみてください。それが相手を理解することに繋がります。会話とは本来楽しいものです。そしていろんな患者さんとコミュニケーションを取ることはアセスメントを行うだけでなく、逆に学ばせていただくことの方が多いかもしれません。こちらの記事を参考にぜひコミュニケーション方法の一つとして実践してみてください。


~ライタープロフィール~

【野中翔太】ナースLab認定ライター
静岡県出身。1児の父。人情を学びに大学入学と共に関西へ。ジェネラリストを目指して救命センター4年、精神科2年、訪問看護2年を経験中。他にも災害対策チームへの参加や全国訪問看護師ボランテイア団体「キャンナス」にて被災地での医療ボランティア、旅行・結婚式への付添いを行う。その経験から現在は旅行支援事業「リスタートトラベル」の看護師代表を務める。新しい看護師の働き方を求め、現在は場所や時間に捉われないライティングや動画編集に挑戦中。今後も好奇心の赴くまま様々なことにチャレンジしたい!

・Sieg(ジーク)訪問看護ステーション(ブログ担当) https://sieg918.com/

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