1.持参薬の数が多すぎる

高齢患者さんの中には内科や整形など、さまざまな診療科を受診している方がいます。それぞれの診療科で薬が処方されるため、たくさんの種類の薬を飲んでいることがあります。入院時に患者さんが大量の薬を持参され、確認に膨大な時間を費やしたことはありませんか? 患者さんによっては自身の判断で一部の薬を中止していたり、症状によって飲んだり飲まなかったりしていると話していて対応に困るときもあるはずです。
2.体に入っているインプラントがわからない
体内に入っているインプラントが不明な場合があります。患者さんに確認しても「あまりに昔のことで覚えていない。でもなにか人工のものを入れた記憶はある」と曖昧な場合があります。事前情報が不足していると、病棟での処置だけでなく、手術を受ける場合にスタッフが手術器械の準備に困ることもあるでしょう。
3.認知症で独居の高齢者は情報少なすぎ
認知症で独居の高齢者が入院してきたとき、情報が少なすぎて困ることはありませんか。本人から情報を聞こうとしても、認知機能低下により十分な情報が得られないことがしばしば。ケアマネジャーさんが来てくれるまで患者情報の入力がなかなか進まないことも。
4.緊急入院は憂鬱
緊急入院はだれでも憂鬱なものです。筆者が勤務していた病棟では、その日の緊急入院をだれが受けるかあらかじめ決まっていました。一番手、二番手、三番手くらいまでは決められており、一番手の日はもう残業覚悟で出勤していたのが思い出されます。二番手、三番手でも勤務時間終了までは安心できません。緊急入院してきた患者さんの重症度が高かったり、一番手のスタッフが忙しかったりすると、二番手や三番手に入院受けが回ってくるため、病棟をあとにしても更衣室にたどり着くまではドキドキしていました。
5.退勤時間目前の緊急入院にげんなり

退勤時間まであと15分程に迫ってきたころ、PHSに一通の電話。祈りもむなしく緊急入院の患者が来ることもあります。帰宅モードから一変。気持ちを残業モードに切り替え、頭をフル回転させます。仕事を終えた後は達成感がありますが、あとからどっと疲労感が押し寄せてくることでしょう。
6.看護サマリーの内容に賛否両論
病院によって看護サマリーの形式が異なるため、転院などで他病院から患者さんが入院してきたときに、内容が理解しづらいことがあります。記載内容が不十分で改めて電話で確認しなければならないことも。たとえば麻薬服薬時間の記載がなく患者に聞きに行ったり、逆にこちらから送ったサマリーに便回数の記入漏れがあり、施設から確認の電話がかかってきたりすることもあります。在宅と病院とで欲しい情報が足りない場合や同じ病院内でも急性期と慢性期で知りたい情報が違うことも。
7.いつ入院がくるかわからないICU
病棟によってその日の忙しさは違いますがICUは顕著です。患者数が他の部署に比べて少ないため、なにもなければ落ち着いています。しかしひとたび緊急入院の患者が来れば病棟内は大忙し。ICUは重症度、緊急性の高い患者さんを受けるため、緊急入院の患者が来ると平和な時間が一変します。
まとめ
入院受けにはさまざまな課題が発生します。薬やサマリーなどの情報整理、緊急入院の受入れも大変でしょう。迅速な対応や正確な情報収集が求められます。限られた情報や時間のなかでやらなければならないことが沢山ありますね。私たち看護師には、柔軟かつ的確な対応が求められるといえるでしょう。
ライタープロフィール
【東 恵理】ナースLab認定ライター
看護師、保健師、介護支援専門員。 国公立大学看護学科卒業後、総合病院にて手術室、外科病棟を経験。その後、小規模多機能型居宅介護施設へ。在職中に介護支援専門員資格取得したことをきっかけに、在宅分野に興味を持ち訪問看護へ転職。一つの働き方に縛られず、フレキシブルな働き方を目指し、ライター業に挑戦。 現在、訪問看護で非常勤として働きながら看護学校非常勤講師や介護士向け研修の講師も務めている。一児の母。
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