1.人間関係の悩みが改善
基本的に一人で訪問先に向かうので、事務所にいる以外は単独行動です。たとえ苦手なスタッフがいたとしても外に一歩出てしまえば別行動になるので、苦になりません。それよりも、アットホームな雰囲気でスタッフ一丸となって協力し合うという環境が自然と成り立っている気がします。
また、利用者、ご家族、多職種との関わりが多いので、地域で生活する「人」と向き合う仕事にやりがいを感じます。なかでも、利用者の生き様や人柄から学ぶことが多く、今までの看護観や価値観がより深く豊かになりました。このように利用者さんの生活や周囲の人との関わりが大きく変わるので、人間関係に悩む事が少なくなるかもしれません。
2.日々幸せを発見し、健康を取り戻す

訪問看護は訪問先までの移動がつきもの。その道のりでは、外の空気を味わいながら、季節毎の草木や花が目に映り込むので、癒されながら自然を満喫しています。そのため、あえて桜並木を通るために道順を変更することも。移動時間まで楽しむことができるのは、訪問看護の醍醐味です。もちろん天気のいい日だけではないので、雨や雪の日は大変ですが、季節の変わり目を感じたり、草花を眺めて小さな幸せを感じたり、何気ない日常を楽しんでいます。
まずは心身ともに自身が健康であることが仕事をする上で最も大切です。日中は太陽を浴びると、幸せホルモンと言われるセロトニンやメラトニンが分泌すると言われています。感情のコントロールや良質な睡眠、やる気や集中力の向上にも効果があるので、健康面でのメリットも大きいですね。
3.社会資源に詳しくなる
訪問看護は主治医やケアマネージャー等との連携が必須。また、各種書類のやり取りや、主治医への「訪問看護計画書・報告書」を提出する為の書類作成業務などもあります。これは、訪問看護管理療養費を算定する為に必要になります。このような事務作業から制度のことまで幅広く学ぶことができるので、看護ケアだけではない学びが深まります。
4.在宅生活を支える学びが深まる
勤務先の訪問看護ステーションには、腹膜透析治療の方が多く、透析手技の確認や生活指導・医療相談をしています。腹膜透析を始めたばかりの方の中には、治療途中に手技が混乱しステーションに電話がかかってくることがあります。手技が不安な方には、訪問回数を増やしてサポートし、安心していただくよういつでも相談できる体制を取っているので、「何かあっても訪問看護師さんに相談できると思うと安心」との声をいただくことがあります。病院で週3回血液透析をしていた方が、腹膜透析治療を支える訪問看護師がいることにより在宅で普段の生活を続ける選択肢が増えるのです。
訪問看護を受ける方々の年齢・疾患は様々なので幅広い知識が必要です。また、自宅では、その人となりの個性溢れた生活があるので、「生活をし続ける為にはどうケアしたら良いか?」という部分を1番に考えて関わっています。より良いケアをしたいと意識しているので、知識・技術を磨く意欲が自然と高まります。
5.新しい自分との出会い

利用者さんの個性はさまざま。ご自宅に初めて伺うときは緊張しますが、繰り返していくうちに度胸が付いてくるもの。それは仕事だけでなくプライベートにも反映されました。新しい環境に参加したり、フットワークが軽くなったりすることで活動の場が広がりました。訪問看護という新たな挑戦をした事は今後の自信にも繋がっています。
まとめ
新しい領域に転職することは誰でも不安を抱くものです。しかし看護そのものはどこで行っても変わりません。「やってみたい!」という気持ちを大切にして欲しいと思います。きっとあなたの看護師キャリアの幅が広がりますよ。
~ライタープロフィール~
【三橋啓子】ナースLab認定ライター
1985年生まれ。北海道出身。ナース14年目。京都の総合病院の外科で主に癌患者と深く関わる。一般病棟での緩和ケアを経験。その後ホスピス病棟で働き、看取る側として人間性を高めたいと思い2014年から1年間フィンランドでボランティアへ参加。アントロポゾフィー看護と出会い感銘を受ける。帰国後、リハビリ特化型ディサービスで所長として立ち上げに参加。地域連携の魅力を感じ、2019年に訪問看護の道へ。
ブログ「原付バイクで街駆け巡りナース」で訪問看護奮闘の日々をリアルに発信中。
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