患者さんの命を預かる現場では、避けて通れないのが「急変」。緊急対応を求められる状況では、正確なアセスメント能力とスピードが求められます。じつは、そんな状況でも共通する「あるある」が存在します。今回は急変の場面を振り返った時に、誰もが思い当たるエピソードを集めてみました。
1.スタッフがアドレナリン放出
刻一刻を争う現場では、みんなが興奮状態に。だんだんと声が大きくなり、時にはささいなことで怒り出す人も。
2.一人は必ず張り切る人がいる
急変にワクワクする看護師がどこからともなく手伝いにやってきます。その横顔はまぶしいほどキラキラ輝いています。
3.パニックになり、固まる新人
急変のコールにかけつけても、「何をすればいいのかわからない」という若手スタッフがいます。対応する先輩に余裕がなく、適切な指示を出せない場合、ずっとその場をウロウロしがち。
4.熟練したナースは達人の領域
豊富な知識と経験がある看護師は、次にすることを予測してあらかじめ完璧に準備。「この先生は◯◯をよく使うから」という、医者それぞれの好みの処置物品もすべて把握しているスーパーナースが存在します。
5.ルートキープが成功した時は歓声があがる
血管が細い、ショックで循環が悪くなっているなど、難しい血管の留置針挿入があります。一発でキープに成功したスタッフには、惜しみない賞賛が送られます。
6.忙しい空気を察してナースコールが減る
いつも頻回に看護師を呼ぶ患者さんは、ただならぬ雰囲気を感じるとコールを押す回数が少なくなることがある。
7.急変時には、慌てる自分と冷静な自分が2人いる
若干パニックな自分と、妙に冷静な自分。そして客観的に「ドラマみたい」としみじみ考えてしまうことがあります。
8.緊急時に限って必要な物品がない
急変が少ない病棟では、いざという時の物品が見つからないことがあります。「必要なものがあるべき場所にない」という場面も多く、血の気が引いていきます。
9.急変を乗り切った後の「やりきった感」
適切な対応を行い、患者さんの状態が安定した後は、スタッフ同士で達成感を共有します。安心感とともに味わう感覚は、仲間意識を強くしていきます。
10.同室の患者さんからねぎらいの声掛けをいただく
大部屋で急変した場合、隣のベッドの患者からこっそりと「大変だったね」と同情されることが…。「お騒がせしてすみません」としか言えません。
11.勤務時間の終わりころに発見した場合、まず長時間残業を覚悟する
「では、お先に帰ります」なんて言えない雰囲気が漂います。
12.まとめに
看護師なら避けては通れない「急変時」。そんな時こそ冷静な判断と的確な技術力などが求められます。スムーズな連携が行えるよう、ぜひスタッフ同士で共有し、実践してきたことを振り返ってみてくださいね。
~ライタープロフィール~
【野田裕貴】ナースLab認定ライター
大学病院で11年勤務し、血液内科、緩和ケア、ICUを経験。新しい働き方にチャレンジするために、看護師ライターへ転身。現在はWEBサイトへの執筆、看護大学の非常勤教員、老人保健施設の夜勤を兼任するパラレルワーカー。多くの人の最期に関わってきた経験から、人生や命について情報発信するメディアを運営中。